ソフトウェアテスト業界のリーディングカンパニー、バルテスが見据える未来。そして社員への想いとは【事業管掌役員メッセージ】
2004年の創業以来、ソフトウェアテスト業界のパイオニアとして、業界を牽引してきたバルテス株式会社。2019年5月には東京証券取引所マザーズに上場を果たし、令和最初の上場企業として話題になりました。
2023年秋にはホールディングス化も予定しており、100年続く企業を目指して様々な取り組みを進めています。
今回は、エンジニア組織の統括責任者にインタビュー。業界の展望やバルテスの将来性、QAエンジニアとして働く魅力、社員に期待することなどを聞きました。
【プロフィール】
角田 誠（かくだ まこと）
バルテス取締役 ソフトウェアテスト事業管掌役員。
大学卒業後、大手人材アウトソーシング企業にて個人営業に従事。その後、事務機器商社の法人営業を経てアメリカへ留学。帰国後は、専門学校に通いながら携わっていたソフトウェアテストの仕事を本業にすべく、2006年1月にバルテス入社。QAエンジニアの経験を積み、プロジェクトリーダーなどを経て、現在は取締役 兼 ソフトウェアテスト事業管掌役員として組織力向上に努めている。
角田さんの詳しい経歴や職務内容などは過去のインタビューをチェック！
専門企業への委託ニーズが高まるソフトウェアテスト
――長年、ソフトウェアテスト業界で働く中で、需要の高まりや業界の将来性について感じることを教えてください。
私がバルテスに入社してから17年が経ちますが、ソフトウェアテストの需要は間違いなく高まっていると感じています。
ICTの進歩により、ソフトウェアが必要な製品は、昔に比べて格段に増えています。例えば、私の入社当時、住民票は受付で申請用紙を提出し、印刷されるのを待っていましたが、現在ではオンラインで申請を行いコンビニで受け取れるようになっています。
このように、ソフトウェアがなければ成り立たないモノやサービスは今後もますます増えていくはずです。しっかりとした品質管理ができるソフトウェアテスト事業は今後さらに必要とされると予想しています。
――事業会社がソフトウェアテストを専門企業に外注する理由はなんでしょうか？
その理由は二つあると感じており、一つは人材を育てることの難しさです。ソフトウェアは年々、複雑化しており、テストの難易度も上昇しています。
開発分野とは異なる専門知識が必要とされるため、継続的な学びも大切です。そのため、QAエンジニアとして十分なスキルを磨くために必要な研修制度を整えることは容易ではありません。
もう一つの理由は、人材を確保する難しさですね。多くの事業会社の場合、自社サービスの開発が事業の起点になりますから、一般的なエンジニア採用時には、まず開発エンジニアから募集します。
開発が進んでいく中で品質の重要性が上がり、開発エンジニアからQAエンジニアに転向してもらうケースもありますが、元々は開発分野に興味を持ち入社してきた方々ですので、希望者が集まりにくいというのが実情です。
専門知識のないテストでは、何らかの問題や不具合を起こしてしまう可能性があります。そうしたリスクに対応するために、私たちのような専門企業への委託ニーズが高まっているのです。
ゼロからプロへ成長できるのは、高め合える環境があるから
――他社と比較した際のバルテスのユニークポイントを教えてください。
一番のポイントは、手厚い教育制度です。当社の事業は社員のスキルがサービス品質に直結するため、社員のスキルを高い水準に保つことが大変重要です。教育コンテンツの拡充を推進する、教育・研修の専門部署「R&C部」を設け、本腰を入れて取り組んでいます。
特に、ゼロから一人前のQAエンジニアに育てるサポート体制には大きなアドバンテージがあると思っています。
社員全員が受講する「バルゼミ入社時研修」という独自の教育プログラムがあり、IT業界未経験でも、業務に必要な知識とスキルは入社後にしっかりと身につけることが可能です。
さらに、任意で受講できる「バルゼミ社内研修」は70講座以上あり、ほぼ毎日何らかの研修が開催されており、自主的に学び続けられる環境が整っています。
また、お互いに学び合い、知識を共有する姿勢はバルテスの創業時からのカルチャーです。私が入社した当時も、月に1回は勉強会をしていました。各メンバーのスキルや得意分野を教え合うという風土が、今も社内に息づいていると感じています。
独自ツールの活用で、会社全体のスキル底上げに注力
――現在、課題に感じる部分や今後もっと強化していきたいことはありますか？
今後は、特に中堅以上の人材育成に力を入れていくつもりです。バルテスのメンバーだけで、40人～50人が携わるような大型プロジェクトをマネジメントできる人材を育てていきたいですね。
ただ同時に「優秀なPMがいたからプロジェクトがうまくいった」と、結果が個人に依存する組織ではいけないと思っています。チームとして誰が取り組んでも高いクオリティが出せる仕組みの強化や、教育コンテンツの拡充、新しいツールの開発を進めていく予定です。
――課題をクリアするために、すでに取り組まれていることがあれば教えてください。
すでに運用がはじまっているツールがいくつかあります。
「QualityTracker」というテスト案件の管理と実行時の進捗を一括管理できるツールや「T-DASH」というテスト自動化サービス。そして「Confluence」を利用した知識やナレッジ、プロジェクトに関連した情報の社内共有の運用もはじめています。
QualityTrackerとT-DASHは連携して使えるので、仕事効率化にも有効です。こうしたツールをうまく使いながら、会社全体のスキルの底上げを目指しています。
付加価値を高め、100年続く強い組織を作る
――組織としての今後の目標を教えてください。
ソフトウェアテストのニーズ拡大に伴い、近年は競合企業も増えています。その中で今後も長く発展していくために「バルテスだからできること」を増やし、会社の付加価値を高めていくことが今後の大きな目標です。
ホールディングス化もそのための施策の一つです。お客様に価値あるサービスを届けることができれば、必然的にプロジェクトの単価や売上は向上していきます。
その時に社員の頑張りにしっかりと応えられるような組織にしておくことが大切だと思っています。
――角田さん個人が今後取り組みたいことはありますか？
個人としては二つあります。一つは、自社プロダクトの開発を進めることです。より上流工程で使えるツールの開発と運用に精一杯取り組みたいと思っています。
二つ目は、また現場で仕事をすること。ソフトウェアテストには決められた正解がないため、仮説と実証を繰り返しながら、答えを探していくことが難しくも面白いポイントです。
仮説がバチッとハマった時は本当に楽しく、お客様から「お願いしてよかった」と言ってもらえると、自分の能力を発揮できた嬉しさも感じられます。
もちろん今の業務も一生懸命楽しみながら取り組んでいますが、もし将来的に機会があれば再度QAエンジニアとして夢中になって働きたいと思うほどです。そんな想いもあり、新入社員のオリエンテーションでは毎回「仕事に夢中になってほしい」と伝えています。
自分の技術に自信を持てるQAエンジニアになってほしい
――角田さんが感じるバルテスで働く魅力を教えてください。
手を挙げれば挑戦できる風土があり、チャレンジを応援する体制も整っているところです。
例えば、様々な研修講座が用意されている「バルゼミ社内研修」には、社員による自主企画講座もたくさんあります。
企画時には、R&C部が内容のチェックをしたり、先輩社員がアドバイスをしたり、よりよいコンテンツになるように伴走してくれます。
のびのびした雰囲気の中で、挑戦したいことに真剣に取り組める点がバルテスで働く一番の魅力です。
加えて、プロジェクトも豊富で、スキルに応じて様々な経験が積めるので、QAエンジニアとしてキャリアを構築しやすいのもポイントだと思います。
――バルテスの社員としてどんな人材に成長してほしいですか？
プロのQAエンジニアとして、お客様に自信を持って「任せてください」と言える人材になってほしいですね。
バルテスの企業理念の一つに“私たちは品質にコミットし、安心安全なICT社会の実現に貢献します”という言葉があります。その理念に基づくエンジニアとして、技術を磨き、活躍していただけると嬉しいです。
また“私たちはICT社会に貢献する人材を育成します”という二つ目の企業理念を実現するため、会社として必要なサポート体制をきちんと整えています。
今後さらに拡充していく予定ですので、会社をうまく活用して、どんどん成長していただきたいと考えています。
今後もますますニーズの高まりが予想されるソフトウェアテスト。専門企業として長年、質の高いサービスの提供と人材育成に励んできたバルテスでは、今後のさらなる飛躍を目指して、様々な取り組みを進めています。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました！
（＊2023年11月30日 更新）