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堀:バルテス・ホールディングス R&C部 部長

■プロフィール
堀(バルテス・ホールディングス R&C部 部長)

東京都出身。東海大学工学部応用物理学科卒業後、部品メーカーに就職。民生機器の開発部に配属され、プログラマーの道に入る。開発部の解散に伴い、カー用品のメーカーに転職。プログラマー時代からテストは得意で好きだったことから、某総合電機メーカーのグループ会社に品質管理に転職。品質管理の仕事に20年従事した後、2017年にバルテスに入社。現在はR&C部の部長。部の統括とともに、セミナー講師、社内教育、検証・分析の技術開発、書籍等の執筆などを担当している。


──学生時代の過ごし方を教えてください。

私が入学した応用物理学科というところは、理学と工学の中間に位置するところで、電磁気学、力学、流体力学、統計物理学などを、広く浅く勉強するところでした。

私が大学生だったころ、カシオのポケットコンピュータが大流行していて、私もそれを持っていました。大学の教科の性質上、関数電卓を使うのは必須だったのですが、更に簡単なプログラムを自分で作って実行できるものでした。ある時、連立方程式の試験が出されたのですが、その答えをパッと出すプログラムを電車の中で組んだことがあります。それが自分で作った初めてのプログラムでした。

大学卒業後に就職し、数か月の新人研修の後、会社から2年ほど、別の大学に研究員として派遣されたこともありました。画像認識の研究に参加し、そこで研究の道具としてプログラミングをしていました。プログラマーとしてはまさに素人だったのですが、そんな経緯があって、ソフトウェア開発の世界に入っていきました。

──これまで経験されてきた会社・業務について教えてください。

プログラマー時代に1度転職し、合計10年ほどプログラマーとしての経験を積みました。その当時、自分で開発した商用のソフトウェアは10機種ほどです。

プログラマーとしては自分のことを二流と思っていましたが、テストは得意で好きでした。自分で作ったプログラムからバグを見つけた時は非常に悔しかったですが、他の人が作ったところからバグを見つけた時は、達成感を感じました。自分で作った製品で、一度も市場バグを出したことがないのが、ささやかな誇りです。

そんな自分の長所を活かすべく、プログラマーから品質管理にジョブチェンジするための転職をしました。品質管理の専門職として初めに従事したのは、自社の品質システムの開発と、その普及・定着でした。その後はたくさんの開発プロジェクトに品質担当として参加しています。

会社の業務だけ行っていると視野が狭まってしまうと感じていたので、会社外の勉強会などにも精力的に参加し、自分でも研究グループを主宰して論文発表なども行っていました。

──バルテスに入社を決めるまでの経緯や入社の決め手を教えてください。

バルテスに入社する前に勤務していたのは、某総合電機メーカーのグループ会社でした。会社の方針で、品質管理や改善に対する力の入れ方が以前より縮小方向に傾いたので、新たに自分を活かせるところとして、バルテスを選びました。

バルテスを選んだ理由は2つ。まず1つは、知り合いがいたことです。社外で行われている勉強会などに参加したり、主催したりする中で、さまざまな方々と知り合い、勉強させていただきましたが、その過程で、バルテスの方と知り合うことができました。

もう1つの理由は、バルテスが教育に非常に力を入れていたからです。単に業務をこなしているだけでは、なかなか人は成長しませんし、ノウハウの蓄積や改善も進みません。教育にコストをかけることはそう簡単に実践できることではありませんが、その中で、バルテスからは「人の成長が会社の成長に繋がる」というポリシーがあることが感じ取れ、非常に共感しました。前職では品質管理の業務の一環としてコンサルテーションやセミナー講師などもしておりましたので、方向性も一致すると思いました。

──入社してから現在に至るまでの変遷について教えてください。また、そのなかでどのようなことを感じていましたか?

バルテスに入社してから現在まで、R&C部と言う部署で、人材育成や技術開発、記事や書籍の執筆などをしております。品質管理と人材育成、技術開発等の業務は、バルテスに入社する前から行っていたものなので、環境や立場は変わっても、業務内容の根っこの部分は変わらず、同じことをずっとやり続けている、という感覚です。

──管理職として大切にしていることがあれば教えてください。

大きく4つあります。

1つ目は、その担当者の得意なところを活かし、伸ばせるように、その人に相応しい業務を割り当てること。

2つ目は、その業務を行う意義、意味をよく説明し、単に作業を行わせるのではなく、目的を達成するために自分で工夫してもらうこと。

3つ目は、各種情報は基本的にすべて伝えること。状況が分からなければ、人は能動的な行動ができなくなり、指示待ちになってしまいがちです。能動性を生み、それを維持するためには、状況の共有が不可欠だと考えています。

最後は、各自が能動的に行動することで、三遊間のゴロを見逃すのではなく、各自がゴロを取りに行くようにすること。担当者同士が連携しあう、助け合うことが、自然に行われるようにすることです。

──品質向上に懸ける想いについて聞かせてください。

顧客満足を得るためには、品質・コスト・納期の3つのバランスが大事です。バランスが大事でありながらも、中でも品質は特に重要。その理由は非常に明確です。

品質が悪ければ計画外の作業が多発してコストがかさみますし、納期になっても品質が悪いために製品を納入できない、ということになります。このように、品質はコストと納期に強い影響力を持っている、との認識が必要です。

品質を向上させるためには、何か1つや2つのタスクを行えばよいということではなく、さまざまな取り組みの総合力が必要です。総合力を付けるには地道で継続的な努力が必要です。実践してみると大変なことも多いことのですが、創意工夫ができるところもたくさんあります。品質向上の仕事は、モノづくりと同様に、非常にクリエイティブで魅力的だと思います。

──今後どのような組織を作っていきたいと考えていますか?

「1つ、人が能動的に行動し、有機的に連携する組織」
「2つ、各自が自分の得意分野でリーダーシップを発揮する組織」
「3つ、各所のノウハウを共有し、蓄積し、改善していく組織」

人のタイプにも依りますが、人は、誰かに何か作業を指示されて単にそれを実行するだけだと、待ちの姿勢になりがちです。いつしか考える力を失ってしまうこともあります。目的や目標を見失わずに、自分に任せられた役割を各々が考えて実践する。各人が単独で行動するのではなく、チームとして機能する。そんな組織を醸成していきたいと思っています。

──バルテスで成し遂げたいことについて教えてください。

バルテスでは、ソフトウェアテストに関する知見や自社の工夫を体系的にまとめた「QUINTEE」というメソッドを開発し、改善・拡張に努めています。QUINTEEはバルテス社内だけでなく、社外にも当社が運営する「Qbook」というWebサイトで公開しています。このQUINTEEはまだまだ発展途上にあります。QUINTEEをより良いものにし、ソフトウェア業界の多くの方々に知っていただき、役立てていただきたいと思っています。

──最後に、バルテスへの入社を検討している方に一言!

バルテスへの入社を検討されている方には、「常に勉強する姿勢を持っていること」「自分の良いところを伸ばそうとすること」を大事にしていただきたいです。

これらは姿勢の話しであり、IT業界での経験は関係ありません。未経験の方にも是非、ご検討いただきたいです。先にも書きましたが、バルテスは社内教育が非常に盛んですので、安心して来ていただければと思います。


(2021年4月13日)
(*部署名・役職名は2023年10月時点のもの)

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