【vol.18】テスト管理ツールQualityTrackerで拓ける品質の夢、社員のキャリアアップ~ バルテスグループ代表取締役会長 兼 社長、田中 真史の“真時代”~
皆さん、こんにちは。
寒い日が続きますが、梅の開花の知らせが届くようになりましたね。今から春が待ち遠しいです。
今回は、テスト管理ツールQualityTracker(以下、QT)について、苦労秘話や今後の展望を書いていきたいと思います。ぜひ最後まで読んでみてください。
QualityTrackerとは?後発製品だからこそできたこと
QTはテスト実行時の進捗管理とテストケースの管理のどちらも見える化できるテスト管理ツールです。
お客さまの視点に立つと、バルテスのテストサービスで質の高いテストを実施するプラスアルファで、テストの進捗がどの程度なのか、またそのテストでどれくらい品質が上がったのかをタイムリーに知りたいものです。
これらを提示するためには、管理者がプロジェクト全体の進捗状況を正しく見極める必要があります。例えば「量が多い単純作業」や「数は少ないが複雑な検証」などでも 正確に工数を把握しなければなりません。
この管理、小さなプロジェクトであればExcelで十分なのですが、大規模案件になるとExcelを各方面に配布して、管理者が計算をして……といった作業だけでもかなり大きな負担となります。
そうした課題を解決するのがQTです。
QTではテスト進捗、チケット(不具合)の状況が瞬時にグラフで確認できます。
その際のポイントは進捗計算にEV (工数)を用いていることです。「量が多い単純作業」と「数は少ないが複雑な検証」を同じ1テストとカウントせず工数で計算することで、プロジェクトの進捗状況が正確にわかるようになっています。
また、あらゆるドメインのテスト工程に対応しているのに加え、アジャイル開発の場合でも利用可能です。
こうしたテスト管理ツールは海外や競合他社でも開発されており、バルテスのQTはその中では後発の製品となります。しかし、だからこそ、これまでに世に出てきたテストツールの反省点を活かして設計しています。他社がカバーできていない部分をカバーするのはもちろん、逆に必要でないであろう機能はあらかじめ取り除きました。
苦節8年?!七転び八起きの製作秘話
「バルテスブランドのテスト管理ツールを作ろう!」とプロジェクトが立ち上がったのは、確か今から7~8年ほど前のことです。
プロジェクトチームを発足し、グループ会社と連携して開発しました。1年ほどかけて完成したので、さっそくテスト部に使用してもらったのですが、結果は散々でした。「これでは使えない」という趣旨のことを言われてしまったのです。今思えば要件定義が甘かったのだと思います。
作り直そう!と決意したものの、また様々な課題に直面しまして、その後も2回ほどペンディングを繰り返しました。
そして最終的に研究開発部門 (R&D部) がこのプロジェクトを形にしてくれました。 RSRにも加わっていただき、ようやくローンチまでたどり着くことができました !
本来T-DASHよりもQTの方が早くローンチ予定だったのですが、やはりシステム的にも難易度が高く、課題も多いPJだったこともあり、産みの苦しみを味わいました。けれど、そうした開発難易度が高いツールを商品として世に出すことができ、企業として非常に意味のあるプロジェクトになったと思っています。
わたしの夢 。QTで実現したいテストのさらなる効率化
ここまで苦しみながら開発をしたQTですが、今となっては複数のお客さまから良い評価を頂いています。また、利用している社員の皆さんからも素晴らしいフィードバックが届いていますので、さらに改良を重ねていきたいですね。
例えば、QTはハイブリット言語対応をしていますが、そうした多言語での利用を想定した機能も拡充していきたいです。T-DASHでも多言語に対応した様々な機能を実装していますので、そのノウハウをQTにうまく取り入れられれば、日本国内だけでなく、アメリカやアジア圏でも利用できるようになります。
また社内外両方で利用が進み、テストデータが蓄積されれば、不具合を予測したり重点的にテストすべき点を予測したりできないかと考えています。
T-DASHとの連携も当然進めていきたいですね。
T-DASHのテスト設計をそのままQTへインポートする。また、QTに入力してT-DASHで自動実行できるところは自動的に判定をするなどができれば、今よりも多くのテストを自動化できると思います。これに不具合管理機能も実装できれば完全自動化の完成です!
と、ここまで私の夢を語りましたが、現場の責任者からは「また好き勝手言って!」と怒られてしまいそうです(笑)
QTで開拓できるキャリアの道
こうしたQT発展の流れは、社員の皆さんにとってキャリアアップの機会にもなり得ると思っています。
QTを利用することでプロジェクトの生産性が上がるのはもちろんですが 、QTの使い方をマスターすれば、お客さまへの提案もできるようになります。将来的には、例えばQTの導入支援サービスを担えるようになるなど、仕事の幅が広がり新たなキャリアの道が拓けます。
ですから、ぜひ社員の皆さんにQTをたくさん使ってほしいというのが私の思いです。そのために、会社としても皆さんを後押しできるような仕組みを準備中しています。社内向け「QTエバンジェリスト認定制度」の概要を3月の定例会で発表予定です!
QTの社内利用を進めることで、社員の皆さんのキャリアアップに繋がり、バルテスのツール事業の充実にもつながる。そんな好循環を回していければと思っています。
(2024年2月8日執筆)